投資の基本は「分散」。
その分散をたった1本でグローバルに実現できるETFが「VT(Vanguard Total World Stock ETF)」です。
この記事では、投資歴20年の筆者が、VTの特徴・メリット・リスク、そしてVTIとの違いまで分かりやすく解説します。
VTとは?
VTは、アメリカのVanguard社が提供するETFで、全世界の株式市場にまるごと投資できる商品です。
米国・欧州・日本・新興国など、先進国から途上国までを含む約9,000銘柄が対象です。
項目 | 内容 |
---|---|
運用会社 | Vanguard(バンガード) |
ベンチマーク | FTSE Global All Cap Index |
経費率 | 0.07%(やや高め) |
配当利回り | 約2.0% |
設定年 | 2008年 |
VTのメリット
✅ 全世界にこれ1本で投資できる
米国・欧州・日本・新興国など、世界中の株式市場に分散投資可能。初心者にも安心の「おまかせ投資」ができます。
✅ 為替分散・地域分散が効いている
米国集中ではなく、通貨・地域の分散も実現できる点がVTIやVOOと異なります。
✅ 長期で安定したリターンを期待できる
年平均リターンは米国単体よりは劣るものの、安定感のある投資対象とされています。
VTのデメリット・注意点
⚠️ 米国株単体より成長は控えめ
VTIやVOOと比べると、新興国や欧州株が足を引っ張ることもあり、リターンはやや落ちます。
⚠️ 経費率はVTIより高い(0.07%)
VTI(0.03%)やVOO(0.03%)に比べると、ややコストが高めです。
⚠️ 為替リスクは依然あり
複数通貨に分散されていますが、ドル建てETFである以上、円高・円安の影響は受けます。
他のETFとの比較
ETF | 投資対象 | 経費率 | 配当利回り | 特徴 |
---|---|---|---|---|
VT | 全世界株式 | 0.07% | 約2.0% | 世界中に分散できる |
VTI | 米国全体 | 0.03% | 約1.5% | 米国に集中投資 |
VOO | S&P500 | 0.03% | 約1.5% | 米国の大型株中心 |
QQQ | NASDAQ100 | 0.20% | 約0.6% | 米国ハイテク成長株に集中 |
【試算】10年前に100万円投資していたら?
- 元本:100万円
- 評価額:約250万円〜300万円(2024年時点)
- 年平均リターン:約8〜10%程度(配当再投資込み)
VTIよりはやや控えめですが、リスク分散の観点では優秀です。
VTはこんな人におすすめ
- ✅ とにかく「1本で全部に投資したい」人
- ✅ 米国集中に偏りたくない人
- ✅ 為替や地域リスクを分散したい人
- ✅ 投資初心者で何を選べばいいかわからない人
まとめ
VTは、世界中の株式にこれ1本で投資できる究極の分散ETFです。
リターンを最大化したい人には物足りないかもしれませんが、リスク管理や初心者の入り口としては非常に優秀な商品です。
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