株式ETFとは異なるリスクとリターンを持つ、債券ETF「BND」。
今回は、株式中心のポートフォリオに安心感を加える存在として注目される「BND」について詳しく解説していきます。
BNDとは?
BND(Vanguard Total Bond Market ETF)は、アメリカの運用会社Vanguardが提供する、米国の債券市場全体に投資するETFです。
具体的には、以下のような債券を含んでいます:
- 米国債(U.S. Treasuries)
- MBS(住宅ローン担保証券)
- 投資適格の社債や地方債
幅広い債券に分散投資することで、安定的なインカム(利息)収入と価格変動リスクの低減を実現しています。
基本情報(2025年時点)
項目 | 内容 |
---|---|
ティッカー | BND |
名称 | Vanguard Total Bond Market ETF |
経費率 | 0.03%(非常に低コスト) |
配当 | 毎月分配(年利約4.5%前後) |
組入銘柄数 | 約10,000本以上の債券 |
通貨 | 米ドル建て |
運用会社 | Vanguard(バンガード) |
メリット
✅ 安定性のある収益
株式とは異なり、元本が減りにくく、価格も比較的安定しています。大きなリターンは狙いにくいですが、着実な利息収入を得ることができます。
✅ 毎月の分配金
BNDは毎月配当を出すETFです。受け取ったドルを再投資して、複利効果を狙うのも一つの戦略です。
✅ 株式とは逆の動き
株価が下がる局面で債券価格が上がることが多く、リスク分散の意味でも役立ちます。
デメリット
- 株式と比べてリターンは控えめ
- 為替変動の影響を受ける(米ドル建て)
- 金利上昇局面では価格が下落する可能性あり
BNDの値動き(約20年間の推移)
以下は、2007年~2025年までのBNDの価格推移チャートです。
リーマンショック、コロナショック、FRBの利上げなど様々な局面を通じての動きが見て取れます。
📈【BNDの過去約20年の価格推移グラフ】

もし20年前に100万円分のBNDを購入していたら?
2007年頃に約$82前後で購入し、現在(2025年)は$72台と価格は微減傾向。
しかし、この間に毎月の分配金を受け取り続けていた場合、
**総リターンは100万円 → 約150~160万円(為替次第)**と想定されます。
ポイントは「値上がり益ではなく、インカムゲイン」です。
今の価格下落は「買い時」かもしれない?
✅ 債券価格は金利と逆に動く
FRBの利上げにより債券価格が下落していますが、今後利下げが行われれば価格は回復する可能性があります。
✅ 今は「利回りが高い=配当がお得な状態」
価格が下がったことで、分配利回りは4.5%前後に上昇しています。
✅ 株式とのバランス調整にも最適なタイミング
BNDは分散性が高く、価格も株式ほどは動かないため、資産の安定化に適しています。
BNDの価格下落は「損」ではなく、「高利回りで買えるチャンス」でもあります。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
高配当? | ☓(値上がりは小さい) |
安定性 | ◎(債券で構成) |
分配頻度 | ◎(毎月配当) |
分散性 | ◎(10,000本以上) |
投資対象 | 米国債券市場全体 |
BNDは、株式のような急成長は期待できませんが、「値下がりしにくい・毎月お金が入ってくる」安定型のETFです。
資産全体の中で、守りの柱として取り入れるのに適した選択肢といえるでしょう。
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