BNDは買い時か?利上げ局面で考える米国債ETFの魅力とリスク

米国株ETF

2022年以降の急速な利上げによって、債券市場は大きな影響を受けました。今回は、そんな利上げ局面で注目される米国債ETF「BND(バンガード・トータル・ボンド・マーケットETF)」について、今買うべきかどうかを考察します。


BNDとは?米国債ETFの基本情報

BNDは米国投資適格債券市場全体に幅広く投資するETFで、以下のような特徴があります。

項目内容
発行元バンガード(Vanguard)
投資対象米国債、政府機関債、モーゲージ債、社債など
信用格付主に投資適格(BBB以上)
平均残存期間約6~8年
分配利回り約4〜5%(2025年6月現在)
経費率0.03%

債券市場の「インデックスファンド」のような存在で、安全資産に分散投資したい人向けのETFです。


利上げ局面におけるBNDのパフォーマンス

債券価格は、金利と逆の動きをします。金利が上がると、すでに発行されている利回りの低い債券の価値は下がるため、ETF全体の価格も下落します。

  • 2022年以降の急激な利上げにより、BNDは大きく下落
  • しかし、分配金利回りは上昇し、長期保有には再投資メリットも

📉価格が下がっても、📈分配金の利回りが上がってくる――それが今の債券ETFの特徴です。


今、BNDを買うメリットとリスク

✔ メリット

  • 金利のピークアウトが近づけば価格回復も期待
  • 株式と異なり、価格変動がマイルドで心臓にやさしい
  • **分配金利回り4〜5%**とインカム目的に最適
  • 株式との相関が低く、リスク分散にも有効

❌ デメリット

  • 今後も金利がさらに上昇すれば価格は下落継続
  • インフレに弱く、実質リターンは低くなる可能性
  • 長期的には株式のような成長性は期待できない

長期的に見るとどうか?

仮に20年前(2005年)にBNDへ100万円投資していた場合―― ※BNDの設定は2007年なので、実際はデータ上2007年以降のシミュレーションになります。

  • トータルリターン(配当再投資含む):+20〜30%程度(年平均1.5〜2%前後)
  • 株式と比べると物足りないが、下落時のクッションとして有効

📊 BNDの長期値動きとパフォーマンスを分析

BNDは「安定的な債券投資」を目指すETFですが、過去の値動きを見ることで、どのようなリスクとリターンがあったのかが見えてきます。

🔹 年間リターン(直近4年間)

年度トータルリターン(%)
2022年-13.11%(急激な利上げによる大幅下落)
2023年+5.65%(落ち着きの兆し)
2024年+1.38%(横ばい)
2025年Q1+2.78%(やや回復傾向)

※トータルリターンには分配金(配当)の再投資を含みます。


🔹 BNDに100万円投資した場合のシミュレーション

長期投資の目安として、1995年から毎年のトータルリターン(配当再投資)で運用した場合のシミュレーションがこちらです👇

約30年間で100万円が約320万円に成長。
株式よりリターンは控えめですが、値動きが穏やかで安定性が高いのがBNDの特長です。


💡 投資判断にどう活かすか?

  • 利回りが高まった現在は、将来の価格回復+高配当を狙える局面
  • 長期投資ならば「ドルコスト平均法」でコツコツ積立がおすすめ
  • VTIやVYMなどの株式ETFとの分散投資で安定性を確保

📌 まとめ

BNDは、過去30年で見ても比較的安定したリターンを出してきたETFです。2022年のような下落はあったものの、それでも分配金を受け取りながら長期保有することで資産の安定化に貢献してくれるでしょう。

債券ETFは退屈に見えるかもしれませんが、資産運用の「土台」としての役割をしっかり果たしてくれる存在です。

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