◆ はじめに:なぜVYMが注目されているのか?
高配当株に興味があるけれど、どれを選べばいいかわからない。
そんな投資初心者の方に人気なのが「VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)」です。
僕自身、投資を20年続けてきてたどり着いた一つの答えがこのETFでした。
配当金という「不労所得」を得ながら、長期で資産形成したい人には非常に相性の良い商品です。
この記事では、VYMの特徴やメリット・デメリット、他のETFとの違いまで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
◆ VYMの基本情報
VYMとは、**「Vanguard High Dividend Yield ETF」**という名前の通り、高配当な米国企業に分散投資できるETF(上場投資信託)です。
運用会社は**バンガード(Vanguard)**という、世界でも有名な資産運用会社。低コストで安定した運用に定評があります。
以下、VYMの基本的な情報です(2025年時点):
- 運用会社:バンガード(Vanguard)
- 設定日:2006年
- 経費率:0.06%(非常に低コスト)
- 組入銘柄数:約400社(米国の高配当大型株)
- 配当利回り:おおよそ2.8〜3.5%(年によって変動あり)
- 配当頻度:年4回(3月・6月・9月・12月)
◆ 組み入れ銘柄の特徴
VYMが投資しているのは、米国の高配当大型株です。
企業の業績が安定しており、株主への利益還元(配当)を重視する企業が中心です。
主な組み入れ銘柄(2025年時点の例):
- ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)
- プロクター・アンド・ギャンブル(PG)
- エクソンモービル(XOM)
- JPモルガン・チェース(JPM)
- ベライゾン(VZ)
業種も「ヘルスケア」「エネルギー」「金融」など多岐にわたり、リスクを分散した投資が可能です。
◆ VYMのメリット3選
✅ 1. 安定した配当収入が得られる
年4回の分配金(配当)があり、おおよそ年2.8~3.5%の利回り。
「老後の生活資金」や「副収入」として活用したい人に向いています。
✅ 2. 分散投資でリスクが抑えられている
約400社に分散投資されており、個別株のような急落リスクを避けやすい設計です。
✅ 3. 超低コスト(経費率0.06%)
長期保有する投資家にとって、信託報酬の低さはリターンを左右する重要なポイント。VYMはその点で非常に優秀です。
◆ もしVYMに2006年に100万円投資していたら?
VYMは2006年に誕生したETFです。
仮にあなたが2006年に100万円分のVYMを購入し、配当を再投資せずそのまま保有していた場合、どうなっていたでしょうか?
▶️ 試算条件(為替は1ドル=115円で仮定、配当再投資なし)
- 当時のVYM価格:約38ドル → 現在:約115ドル(約3倍)
- 投資額:100万円 ÷ 115円 ≒ 約870株分購入
- 現在の評価額:115ドル × 870株 × 115円 ≒ 約1,150,000円(+15万円)
- 累計配当(年平均2.5% × 約18年):おおよそ約45万円
- 総リターン(評価額 + 配当):約160万円
- 利益:約60万円(+60%)
つまり、「買って放置」するだけで元本が1.6倍になっていた計算です。
株価の上昇に加えて、毎年の配当がじわじわと効いてくるのがVYMの魅力です。
◆ VYMのデメリット3選
❌ 1. 成長性は控えめ
急成長を狙う企業は少なく、値上がり益よりも配当重視。
❌ 2. 為替リスクがある(日本円で保有する場合)
ドル建てであるため、円高になると評価額が下がる可能性があります。
❌ 3. 株価は下がることもある
景気後退時には、株価や配当が落ち込む可能性もある点には注意が必要です。
◆ VYM vs HDV vs SPYD ― 高配当ETFを比較してみた
特徴 | VYM | HDV | SPYD |
---|---|---|---|
運用会社 | Vanguard | BlackRock(iShares) | State Street(SPDR) |
銘柄数 | 約400 | 約75 | 約80 |
経費率 | 0.06% | 0.08% | 0.07% |
配当利回り | 中(約3.0%前後) | 中~高 | 高め(約4.5%前後) |
選定基準 | 高配当の大型株全体 | 財務健全性+配当 | 配当利回りの高さ(機械的) |
安定性 | ◎ | ◯ | △ |
- VYM:バランス型で長期向き
- HDV:財務健全性重視の堅実タイプ
- SPYD:利回り重視だが値動きが激しい
◆ VYMはこんな人に向いている/向いていない
✅ 向いている人
- 安定した配当収入を得たい人
- 長期で資産形成を目指す人
- 投資初心者
- 米国株に分散投資したい人
❌ 向いていない人
- 成長株に投資したい人
- 短期売買を好む人
- 為替変動が気になる人
◆ まとめ:VYMは「配当で資産を育てたい人」に最適な選択肢
VYMは、米国の高配当大型株に幅広く投資できる、王道の高配当ETFです。
経費率も低く、長期的に安心して保有しやすいのが特徴です。
この記事では以下のことを紹介しました:
✅ VYMの基本情報と魅力
✅ メリットとデメリット
✅ HDVやSPYDとの比較
✅ 20年近く保有した場合のシミュレーション
僕自身、投資歴20年の中で「手間をかけずに安定して配当を受け取れる」ことの大切さを実感しています。
VYMはそのニーズにぴったりとハマるETFです。
📌 これから投資を始める人にも、
📌 すでに資産形成を始めている人にも、
「長く付き合えるパートナー」として、VYMは十分検討の価値があると思います。
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