米国株投資をしていると、「VTI」というETFを目にしたことがある方も多いと思います。
「VTIってどんなETF?」「VYMやSPYDとどう違うの?」そんな疑問を持つ方に向けて、この記事では、20年以上投資を続けてきた筆者が、VTIの特徴やメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
VTIとは?
VTI(Vanguard Total Stock Market ETF)は、アメリカの株式市場全体に投資できるETFです。
具体的には、約4,000銘柄以上の米国株をカバーしており、時価総額が大きい大型株から小型株まで幅広く含まれています。
項目 | 内容 |
---|---|
運用会社 | バンガード(Vanguard) |
ベンチマーク | CRSP USトータルマーケット指数 |
経費率 | 0.03% |
配当利回り | 約1.5〜2% |
設定年 | 2001年 |
VTIのメリット
✅ 1本で米国全体に投資できる
大型株だけでなく、小型成長株までカバーしているため、これ1本でアメリカ経済全体の成長を取り込めます。
✅ 圧倒的な低コスト
経費率はわずか0.03%。手数料が少ない分、投資効率が非常に高いです。
✅ 長期で安定した成長が期待できる
VTIにはアップルやマイクロソフトといった成長企業が含まれており、長期的に資産を増やしたい人向きです。
VTIのデメリット・注意点
⚠️ 配当利回りは高くない
配当利回りは1.5~2%程度と控えめ。高配当重視の人には物足りないかもしれません。
⚠️ 株価の上下動がある
小型株も含まれているため、VYMやHDVに比べてボラティリティ(変動幅)は大きめです。
⚠️ 為替リスク
VTIは米ドル建てのETFのため、円安・円高の影響を受けます。
他のETFとの比較
ETF | 投資対象 | 経費率 | 配当利回り | 特徴 |
---|---|---|---|---|
VTI | 米国全体 | 0.03% | 約1.5% | 成長+分散 |
VYM | 高配当株 | 0.06% | 約3.0% | 安定+高配当 |
SPYD | 高配当株 | 0.07% | 約4.5% | 超高配当+価格変動大 |
HDV | 財務健全株 | 0.08% | 約3.5% | 安全性重視 |
【試算】20年前に100万円投資していたら?
仮に2004年にVTIを100万円分購入し、配当を再投資していた場合:
- 元本:100万円
- 評価額:約600万円(2024年時点)
- 年平均リターン:約10%前後
20年間の長期投資で、元本が6倍に増えている計算です。
配当が少なくても、成長力がリターンを支えていることがわかります。
VTIはこんな人におすすめ
- ✅ 米国の経済成長をまるごと取り込みたい人
- ✅ 分散と成長を両立したい人
- ✅ 配当よりも「資産の増加」を重視する人
- ✅ 投資初心者で「まずはこれ1本から始めたい」人
まとめ
VTIは、米国全体に分散投資できる最強のオールインワンETFです。
「高配当」ではありませんが、低コストかつ高い成長性で、長期投資にぴったりの1本です。
まず1本から始めたい方、すでにVYMやSPYDを持っている方の「補完用ETF」としてもおすすめできます。
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