こんにちは、hidakaです。
今回は、私たち日本の投資家にも関係がある「アメリカの損益通算(Tax-Loss Harvesting)」についてご紹介します。
実は、アメリカでも日本と同様に「利益」と「損失」を相殺して税金を抑えることができます。
ですが、ルールや制限に違いがあるため、米国株投資をしている方には知っておいて損のない内容です。
アメリカの損益通算:Tax-Loss Harvestingとは?
アメリカでは、**売却益(キャピタルゲイン)と売却損(キャピタルロス)**を相殺することで、課税額を抑えることができます。
これを「Tax-Loss Harvesting(損失収穫)」と呼び、節税テクニックとして広く使われています。
アメリカの特徴的なルール
✅ 1. 長期と短期の区別がある
- 保有1年以内の売買は「短期キャピタルゲイン」
- 1年以上は「長期キャピタルゲイン」
- 短期同士・長期同士で通算 → 余剰は互いに相殺可能
✅ 2. 損失は所得から最大3,000ドルまで控除できる
- 損益通算後にまだ損失が残っていれば、年間3,000ドルまで所得控除が可能( married coupleでも上限は同じ)
- 控除しきれなかった損失は、無期限で翌年以降に繰り越し可能
✅ 3. 「ウォッシュセールルール」に要注意
- 売却損を出した銘柄を、30日以内に再購入すると損失は無効化(繰延)
- 同一銘柄だけでなく、実質的に同じETFや投信もNG
実際の例(アメリカ)
- A株の長期売却益:+10,000ドル
- B株の長期損失:−4,000ドル
- C株の短期損失:−2,000ドル
👉 通算後の長期益:+6,000ドル
👉 余った−2,000ドルは所得控除(年間最大3,000ドル)に使用可能
👉 控除しきれない損失は翌年以降に繰り越せる
日本との違いを比較表で整理
比較項目 | 日本 🇯🇵 | アメリカ 🇺🇸 |
---|---|---|
損益通算の可否 | 可能(証券会社内で自動通算) | 可能(短期・長期で区分) |
繰越控除期間 | 最長3年間 | 無期限(上限3,000ドル/年) |
所得控除の適用 | 原則なし(キャピタル損失は通算のみ) | 年間3,000ドルまで所得控除可 |
再購入制限 | 特になし(同日買い戻しも可能) | 30日以内の再購入で損失が無効(ウォッシュ) |
通算の自動処理 | 特定口座(源泉徴収あり)なら自動で処理 | 自己申告(確定申告=Form 8949などが必要) |
アメリカではロボアドが自動で対応
アメリカの投資サービスでは、ロボアドバイザー(例:Betterment、Wealthfront)が損益通算(Tax-Loss Harvesting)を自動で実行してくれる機能が人気です。
税制が複雑でも、こうしたツールを活用すればスマートに節税できます。
まとめ:ルールを知れば損益通算はグローバルな武器に
損益通算は、日本でもアメリカでも「節税」という観点から非常に重要な手段です。
米国株投資をしている人は、アメリカのルールを知っておくことで、
✅ 課税額を減らし、
✅ 資産の複利効果をより高める
ことが可能になります。
今後の資産形成に役立ててみてくださいね。
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